入居者募集のさまざまなかたち。法人契約の特徴やメリットとは?

人材不足が深刻化している昨今、人材を安定的に確保するための複利厚生のひとつとして、賃貸物件を社宅として借り上げたいという企業が増えています。ここでは、法人契約の仕組みや一般的なメリット、医師から見たメリットについて説明していきます。

法人の来客数が増えている傾向。法人契約のメリットは、なんといっても入居者の素性が明らかということ

公益社団法人日本賃貸住宅管理協会(日管協)が実施した「第20回賃貸住宅市場景況感調査(調査対象期間:2018年4~9月)」によると、31.3%が“法人の来客数が増加した”と回答しています。売り手市場が続いている状況下においては、多くの企業が人材不足に悩まされている状況です。中には、経営は黒字であっても人材不足によって廃業を選択せざるを得ない企業もあります。

人材確保のためには、事業内容が魅力的というのはもちろんですが、福利厚生が充実しているというのも重要なポイントになります。
福利厚生には、雇用保険や健康保険などの実施が必須となる「法定福利厚生」、住宅手当や家族手当など任意で実施できる「法定外福利厚生」があります。近年は人材を確保するために、法定外福利厚生を拡充させている企業が増えてきているのが実情。そのひとつとして、賃貸住宅を社宅として借り上げるという方法があります。

少し前までは、社宅というと企業が一棟丸ごと所有し、社員やその家族がそこに暮らすというのが主流でした。しかし、景気の低迷によって、多くの企業が社宅を売却して跡地には分譲マンションや分譲一戸建てなどが建設されています。今では、社宅を所有するというスタイルではなく借り上げるというのが主流。一戸から借り上げてもらうことも可能なので、さまざまなオーナーが社宅として貸し出すという選択ができるようになりました。

法人契約のメリットは、なんといっても入居者の素性が明らかということです。契約は法人と結ぶことになるので、家賃の滞納リスクなどはあまり考えなくていいでしょう。部屋や入居条件を気に入ってもらえれば、退去が決まっても、次に着任する社員を入居させてくれるなど、空室についてあまり悩まなくて済むケースもあります。

最近は、研修で来日している外国人社員のために複数の住戸を借り上げるという企業も多くなりました。入居者が外国人の場合、文化の違いを理解するかしないかで成否が決まってきます。特にゴミ出しのルール違反や騒音問題などは他の入居者とのトラブルに発展しがちな事項です。こういった点から不安を感じてしまうオーナーもいらっしゃると思いますが、多言語の掲示物や回覧板などトラブルを回避しているオーナーもいます。工夫をしながらやっていけば、法人契約のメリットを十分に享受できるでしょう。

賃料は、近隣の相場と合わせるということが一般的ですが、法人契約の場合は社宅規定に合わせた賃料設定が必要となってきます。“安いから決まるだろう”ではなく“いかに社宅規定に沿った賃料になっているか”という点を意識することで成約率が上がったという事例もあります。エリアによっては、近隣相場よりも高いケースもあるので、委託している管理会社にリサーチを頼むなどして、正しい判断をするようにしましょう。

株やFXなどに比べると手間のかからない不動産投資。法人との契約も検討を

投資というと株式投資やFXが頭に浮かぶという方が多いのではないでしょうか。少額から始められるということで、検討されている医師もいらっしゃると思いますが、景気に大きく左右される商品ということは覚えておきましょう。つまり、これらの商品をうまく運用するためには、値動きを細かくチェックする必要があります。日々診察に追われる医師がこなしていくにはなかなか難しい商品です。

一方、不動産投資は株やFXなどに比べると、運用に多くの時間を取られることはありません。まとまった金額が動くので資金面で不安を感じるかもしれませんが、医師は信頼のある職業のため融資が受けやすいというのが特徴です。そのような中、今回ご紹介したような、法人をターゲットとした不動産投資はおすすめです。何より安定した運用が望めるので、安心感を得ながら続けられます。法人側もオーナーが医師ということで依頼しやすさがあがるため、双方でメリットを感じられるでしょう。

柔軟な対応がカギ

法人契約の場合、“急な人事異動で、転勤が決まった。10日後に入居したい”“3月下旬入居で家賃発生もそのタイミングが希望。でも部屋は1月に決めておきたい”“数年周期で転勤がある。引越しの手間暇を減らしたいので、家具・家電付きにできないか”など、法人ならではの要望を言われることがあります。管理会社から判断を求められることもありますが、できる限り融通をきかせ、法人の入居実績作りにつなげることも大切です。実績を積み上げていけば、実績の数が信頼度のアップにつながり、例えばいくつかの競合物件があった場合に選んでもらいやすくなるといったメリットもあります。
日本の人口が減っているなか、門戸を広げることは空室対策につながります。管理会社と相談しながら、さまざまな可能性へ柔軟に対応し、不動産投資を成功へ導いてください。

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