毎月支払う区分所有マンションの修繕積立金。修繕とはどのようなもの?

マンションの修繕積立金は、将来修繕するために貯蓄しておくもので、管理会社の収入ではありません。
そして、マンションの修繕は国土交通省が作成したガイドラインや管理会社のノウハウをもとに作成された長期修繕計画に基づいて行なわれます。何か不備や不具合が出てからではなく、「予防保全」が一般的です。修繕がしっかりされているかどうかで物件の価値は変わってくるので、購入時にはぜひチェックしておくようにしてください。

修繕積立金の基礎知識

マンションなどの共同住宅に住んだことがあるかたであれば、毎月管理費と修繕積立金がかかってくることはご存知だと思います。
管理費は、日々のマンション管理にかかってくる費用で、
●管理会社へ支払う管理委託費:管理人の人件費(共用設備の保守や維持費、事務費、清掃費・ごみ処理費、窓口業務費、植栽剪定費など)
●マンション管理組合の運営費用・理事への報酬
●共用部の光熱費・水道費
●共用部の火災保険料、損害保険の保険料など
●電球の入れ替えや簡単な不備・不具合の対応・補修費
などに充てられます。住民が共有したり管理をお願いしたりしている部分に対して、みんなで維持管理するために支払うお金という風に理解すると分かりやすいかもしれません。

修繕積立金は、共用部分を大規模修繕するときのために積み立てておくお金です。一般的にマンションは築10年を過ぎたころから劣化が見られるようになります。そういった傾向を踏まえて、多くのマンションでは長期修繕計画を立てるとき、第1回目の大規模修繕を竣工から10~12年後に設定しているところが多いようです。以降、使用されている建材や周辺環境、気候の特性などによっても異なりますが、数年ごとに大規模修繕を行うことになります。月々の修繕積立金は、長期修繕計画をもとに算出。コツコツためて大規模修繕に備えるというわけです。ちなみに、長期修繕計画の内容やマンションの規模にもよりますが、平成30年度に国土交通者が行った「マンション総合調査」によると、一戸当たりの月々の修繕積立金は平均で11,243円となっています。ただ、この金額はあくまでも平均値としてとらえていただきたく思います。つまり、平均より上か下かでその優劣は測れないということです。投資をするにあたっては運用費をおさえたいという医師もいらっしゃると思いますが、修繕積立金は安ければいいというものではありません。安い場合のリスクとして考えられるのは、将来、積立金が足りなくなるということ。そういったケースでは、途中で修繕積立金がアップすることも考えられます。固定費が変更になると、資金計画が狂ってしまうことにもなりますので注意が必要です。

不備や不具合が見つかってから直すのではなく、「予防保全」が重要

大規模修繕について、国土交通省は築12年に1回目を実施することを推奨しています。12年というのには理由があって、そのぐらい経過すると雨風や紫外線による劣化が顕著に見られるようになるからです。劣化と言っても、塗装の剥がれや防水機能の低下、鉄部の腐食、ひび・ひび割れなどその種類はさまざま。それらを放っておくと美観を損ねるだけでなく、漏水や損壊の原因にもなってしまいます。
建物の管理がしっかりされていないと、その寿命にも大きな影響を与えることになります。資産価値の低下にもつながってしまうので、空室への不安も避けられないでしょう。区分所有で中古の投資用物件を購入する場合は、「予防保全」という視点で計画が立てられているかも判断するようにしてください。

具体的な大規模修繕の内容とは

大規模修繕の実施範囲や内容は、下記のようなものです。
●屋根:塗装、防水処理、劣化・損壊部分の補修、葺き替えなど
●外壁:塗装、タイル補修、その他使用建材の補修
●階段・廊下:手すりなどの塗装、防水処理
●給排水管:洗浄、交換
街を歩いていると、外壁に養生がかかっていたり足場が組まれていたりするマンショを見かけることがあると思いますが、これが大規模修繕中のマンションです。工期は内容によっても異なりますが、小規模マンションであれば2~3カ月かかるのが一般的です。大規模修繕をするタイミングはそれぞれ異なりますが、屋根の葺き替えや給排水管の交換が築25~30年という以外はおおよそ築10~20年ぐらいの間に行うのが一般的。ただし繰り返しになりますが、物件の立地条件によっても異なりますので、目安として認識しておいてください。

修繕が適切に行われているどうかで、物件の資産価値は大きく変わってきます。物件を購入する際には、物件の価格だけでなく、修繕積立金や修繕の内容にも目を向けて選ぶことが安定経営には重要なポイントです。
“でも毎日激務に追われて細かいところまでチェックできない。また、不動産の専門家ではないので自分だけで判断するのは心配だ”という医師もいらっしゃると思います。そのようなときは、不動産の専門家である不動産会社に相談し、アドバイスをもらうと安心でしょう。

■おすすめ記事
忙しい医師必読!売却のタイミング、どうやって決める?
安く手に入る競売物件。投資用物件としてのメリットとデメリット
事前にチェック!不動産投資でかかる費用やコストとは?