2020年相続税改正「嫁も介護貢献で遺産相続が可能に」

義父母を介護したのに財産を全くもらうことができないという話もよく耳にします。介護をするために仕事をやめたという人もいる中、介護した人にも財産分与の権利をという声は根強くありました。

なぜ介護要員は相続できなかったのか

親や親族の介護をする例もあるかと思います。介護をしていた時は「〇〇ちゃんに私の財産を相続させるから」といった言葉があったにも関わらず、実際の相続時は1円も相続財産を受けとることができなかったという例も少なくありません。相続については遺言書で遺言として託すことは可能ですが、法定相続人が最優先であり、遺言書通りに相続できるとは限らない状況です。
ひどいケースだと遺言書があり、さらに生前には法定相続人も介護をしている人が相続していいと言っていたにも関わらず、相続時には対応しないというケースもあります。このように介護をした法定相続人でない人は泣き寝入りすることが少なくありません。
介護要員が相続できない1番の原因は法律で法定相続人が最優先であるからです。相続をする上で法定相続人を守ることは大事ですが、介護は切り離せない大きな問題であり、特に息子のお嫁さんが介護をするケースも多く、相続の権利についてたびたび疑問されています。
介護は女性が主で行うことが多く、特に長男のお嫁さんの立場だと介護は当然にすべきという見方も少なくありません。介護は労力がかかるだけではなく、おむつ代や送迎、リフォームが必要など費用もバカになりません。このような出費を年金で賄う場合はまだいいのですが、実費の負担も介護は大きくのしかかる問題です。
最近は共稼ぎ世帯も多く、介護のために仕事を辞めて介護にあたる場合もあります。所得減少にも大きく響き、介護は時間とお金の両方の面で大きな課題の1つです。

ついに介護貢献での相続が認めらえることに!

ついに介護貢献での相続が認められることになりました。介護をするケースは上記の通り長男の嫁、すなわちお嫁さんであるケースがほとんどです。実際に介護をするのはお嫁さんであるにも関わらず、一円も相続財産を受け取ることができないことに批判の声が上がっていました。
介護貢献でお嫁さんが相続できるケースとしては、特別寄与料というものに該当します。特別寄与料とは被相続人の相続人でない親族となり、長男のお嫁さんなどが該当します。またこれは誰でもいいわけではなく、6親等内の血族や配偶者、3親等内の婚族となります。
仮に特別寄与料が300万円であり、法定相続人が夫と長女の2人だとします。このケースでは特別寄与料として夫に150万円、長女に150万円を請求できます。特別寄与料の設定により介護の苦労が報われるという仕組みです。

特別寄与料請求の注意点

特別寄与料を請求するためにはいくつか注意点があるので、介護開始前に内容をしっかり把握しておくことをおすすめします。介護をする段階で介護寄与料を請求できるよう、管理をしておいた方が良いでしょう。
では具体的にどういったことを準備すればいいのか、説明したいと思います。まずは介護日誌の作成です。介護をスタートする時点で介護日誌は必ず準備しておきましょう。基本的に介護に関わる全てのデータを残しておくことをおすすめします。介護関係の業者とのやりとり、メールなども有効な証拠です。
介護をするにあたり、お財布を預かるケースもあることでしょう。介護は想像以上にお金がかかります。おむつの購入費もかなりの額となります。こうした履歴とお金の出し入れもしっかり残しておいて対応することが大事です。履歴を残しておかない状態だと、おむつ代やタクシー代がかかったといっても「使い込み」の扱いをされるケースが少なくありません。
また介護のお礼にデザートをごちそうになったり、タクシー代を負担してもらうこともあることでしょう。これも使い込みを判定されないようにレシートなど記録を残しておくといいでしょう。
また特別寄与料は必ずしもお金をもらえるとは限らないのでこの点も注意が必要です。最近はデイサービスなども充実しています。外部の支援を受けているのに介護しているといは言い難い状態のケースも多々あります。また要介護2以上の人の介護でさらに1年以上の介護が前提となります。
また介護をするために仕事を辞めた人はその分についても認めらえることがあります。費用計算ですが介護の日当×日数となります。
介護はボランティアと捉える人も少なくありませんが、費用請求ができるよう準備してから介護に臨むことをおすすめします。
相続税の改正により介護をした人の労力が認めらえる時代となりました。相続税改正前からの分も請求できるかやってみる価値はあるかと思います。

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