患者からの「印象」アップのために今やるべきこと

開業すると医師としての視点だけでなく経営者としての視点も併せ持つことが必要です。医師としての技量はもちろんのこと、印象を良くしなければ患者さんは集まりませんので、新規患者獲得も難しくなります。ここでは、患者さんの印象をアップするために今やるべきことは何なのかについてご紹介します。

見た目を整える=第一印象アップ

まず、患者が病院選びの基準にしていることは何なのか、を知っておくことが必要でしょう。患者が病院を選ぶ理由には、いくつかあります。
例えば、大病院や特定機能病院の場合は、医師の紹介であったり専門性が高かったりというように、医師としての技量を病院選びの基準にしている人が多く見受けられました。※1
一方、中病院、小病院、療養病床を有する病院では、己のかかりつけ医であること、交通の便が良いことなどが多くなっています。※1
では、かかりつけ医はどのような基準で選ばれているのでしょうか。かかりつけ医を選ぶ際には、以前来たことがある、自宅や職場・学校に近い、などがその基準となるようですが、近年では「クリニックへの口コミ」も大きな要素を占めているようです。
中でも、「以前来たことがある」という場合にはこの病院を受診するためにどのようなアクションを起こしたかというところが、着目点になると考えられます。病院を選択する際には全体の約50%の人が情報収集を行っているとしており、この情報収集に活用されているのが医療機関の相談窓口に加えて病院が発信するインターネットの情報、病院の広告やパンフレットなどになるのです。※2
初めて医療機関を受診する人がいきなりその医療機関の相談窓口に飛び込むということは考えにくいため、新規患者の多くは、インターネットなどの情報を活用して病院を選択していると考えて良いでしょう。
医療機関のホームページ、特に自由診療を行っている病院ではホームページに情報を公開するにあたり気を付けなければならないことが定められています。※3そのため、ホームページの内容そのものを充実させにくい、ということもあるかもしれませんが、患者が病院選びの際に見るポイントは、提供している診療内容だけでなく、医師の印象もあります。経歴や施術内容はもちろんのこと、医師の写真やあいさつ文を見て医師としての印象を判断し、受療行動への判断材料にしている患者もいます。医師の顔写真やあいさつ文を充実させることも、集患につながる第一歩です。例えば、肥満外来の担当医が肥満であったり、AGAの治療を行う医師がAGAだったりというのは、患者の印象に大きな差が出ると考えて良いでしょう。
また、自医療機関のホームページと同じくらい大切なのは患者さんの口コミです。厚生労働省は

“患者等の主観又は伝聞に基づく、治療等の内容又は効果に関する体験談は広告禁止事項。特に、当該医療機関にとって便益を与えるような感想等を取捨選択し掲載するなどして強調することは、虚偽・誇大に当たるため、広告できません”

としている一方で、「個人が運営するウェブサイト、SNSの個人のページ及び第三者が運営するいわゆる口コミサイト等への体験談の掲載については、医療機関が広告料等の費用負担等の便宜を図って掲載を依頼しているなどによる誘引性が認められない場合は、広告に該当しません。」※4としています。つまり、患者さんは口コミサイト等へ自由に投稿することは可能であり、これを参考に医療機関を選ぶ患者さんは増えている、ということになります。
自身で医療機関のアピールをすることは医療法によって規制されてしまいますが、患者さんにいい印象を与え、患者さんが口コミサイトに投稿してくれれば病院のアピールにつながり集客アップにつながるということになるのです。

参考:
※1 厚生労働省 結果の概要
※2 平成23年受療行動調査の概況(概数)
※3 厚生労働省 医療機関ホームページガイドライン
※4 厚生労働省 医療広告ガイドラインに関するQ&A

関係性を大切に=長く付き合える医師になる

ホームページを通じ、医師に対して良い印象をもって受診した患者でも、そこから長く、かかりつけ医として受療を続けるためには、患者にはより良い印象を与えることが必要です。そのためには、患者との関係性を大切にし、「この先生なら長く付き合える」という気持ちを蜂起させることが必要です。
日本医師会が公表しているデータによると、日本国民の医療満足度は高水準である一方、受けた医療に満足できなかった人の多くは、医師の説明であるとしています。※5 すなわち医師と患者のコミュニケーションを円滑にすることが、医療満足度を上げ、関係性を良好に保つ手段となります。
医師のコミュニケーションのことをノンテクニカルスキルと呼んでおり、これは医療技術であるテクニカル技術と同様に、大切なことであると考えられています。※6また、患者と密に会話をしてコミュニケーションをとることは、医療トラブルを避けるためにも重要です。※6
しかし、このノンてクリニカルスキルは、誰かに理論立てて教わることは少ないスキルです。自分の周りにいるたくさんの人とのコミュニケーション確率させていく中で、自己研鑽していくことが必要になります。※6
患者さんの半数近くは、「医師は患者さんの症状を治すだけでなく心のケアまで行なっていると思う」としています。※1 コミュニケーションを密に行い、良好な関係を構築し、疾病だけでなく心のケアまで行える医師になること、そして患者からみて「長く付き合える医師」になることが、自院を継続するための秘訣といえるでしょう。

参考
※5 日本医師会 日本の医療に関する意識調査
※6 高松赤十字病院 医療の基本スキル -コミュニケーション能力-

まとめ

クリニックがより多くの患者を集めるためには、大きく2つのポイントがあります。まずは医師の見た目や、写真での印象です。そして、集まった患者の受療継続を測るために必要となるのが、患者とのコミュニケーションスキルです。
受診行動の指標となる病院の広告やホームページを今一度見直し、印象の高いものを作り上げていくことも、経営者として必要な視点なのです。

■おすすめ記事
患者に選ばれる医師を目指そう
働き方を大きく変えた医師たち
増え続ける医師、生き残るのはどんな医師?