それでも地方が呼んでいる-鳥取県編

平成20年以降医学部を大幅増員したことにより医師数が年々増えている日本。しかし、医師の地域偏在の解消には至っていないことが現状です。今回は、鳥取県に焦点を当てて医師の偏在やその確保対策について考えていきます。

マジックの元では、勤務医が多く見えてしまう鳥取県

鳥取県の医療従事医師数を見ると、人口10万対医師数は全国平均が240.1人であるのに対して鳥取県は298.1人と、全国平均を大幅に上回り、全国で6番目に医師数が多い地域となっています。
こう見ると、鳥取県は勤務医が多く非常に充足した県であるように見えてしまうのですが、これにはマジックが隠されています。
鳥取県はそもそも人口が全国で2番目に少ない県です。つまり、全人口が少ないわけですから、人口10万対で表すと多いように見えてしまいます。
また、地域別の医師数では、都市部である西部に医師が集中している傾向にあります。東部、中部といった地域では全国平均に満ちていません。
さらに、医療施設従事医師数を見てみると年々増加傾向ではあるものの全国平均を約半分ほど下回っており、平成8年を100としてみた指数では、平成16年までは全国の指数と同等であるものの、それ以降、その差はどんどん広がっており、医療施設で従事する医師数は微量に増加しながらも全国的に見ると過小であることがわかります。

鳥取県の医師の実態とは?

鳥取県によると、県が抱えている医師の問題には、若手医師の減少、医師の地域偏在、診療科の偏在の3点が挙がっています。
特に着目したいのが、医師の地域偏在です。鳥取県の西部医療圏は県庁所在地があり、県の中でも人口が多い地域です。それだけでなく高度急性期などを医療の中核を担う病院があることに加えて、医学部のある大学が西部にあるため、おのずと医師、特に若手医師が集中する傾向にあります。
実は鳥取県とは、医療資源が比較的潤っている県でもあります。しかし、中核病院が各地域にそれぞれあるものの、必要なところに必要な人員が配置されないなどのミスマッチが生じており、結果として医療機関数の割に、主要病院の主要診療科に欠員がみられる、などの問題があります。
診療科の偏在については、他県同様に産科、小児科、精神科、救急科などの医師不足が見られます。医師の確保が困難であることから、診療科の縮小も余儀なくされている現状です。
鳥取県はほかの地域と比較すると、急性期病院が地域ごとに点在しているように見えます。しかしながら、医師の地域偏在、診療科の偏在が解消できないため、県民側からみれば、医療機能はあるものの医療資源の不足によって適切な医療を受けることが難しい」という問題に発展していくと、推測されています。

鳥取県の医師確保対策を見てみよう

これらの問題を踏まえて鳥取県ではどのような医師確保対策がなされているのでしょうか。
鳥取県では総合的な医師確保対策として関係機関との連携・調整を図り、地域における医師確保が図られるように対策を講じています。具体的には情報の発信や奨学金の給付などを行い、医師の確保に動いています。また、病院の勤務医確保及び勤務医の支援、研修医の確保を行うことで若手医師の確保と定着を目標としています。
さらに、確保した医師の資質の向上にも力を入れており、県外の研修への参加の励行などをしています。
つまり、鳥取県で医師として就業すると、どの地域においても潤沢な医療資源の中で仕事をすることができるだけでなく、他県などで研修をすることも認められ医師としてのスキルアップを図ることも可能となるのです。

まとめ

鳥取県は医師数が見かけ上多いものの他県同様に地域の偏在などが見られ、勤務医はまだまだ不足しているのが現状です。
医療資源が比較的潤っているある鳥取県。医師の資質向上にも力を入れていることから、医師としてのキャリアアップ、スキルアップを図るのであれば、就職を検討しても良い県ではなでしょうか。

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