2020年度から相続税逃れにメスが入る

相続税を少しでも抑えたいといった人も多いことでしょう。自分で築き上げた財産はなるべく多く確保しておきたいところです。

相続税対策=相続税逃れ

相続財産が多い人は相続税対策を税理士に相談しているケースも多いことでしょう。相続税対策は生前の早いうちから着手したいところです。生前贈与なども含めるとさらに節税が可能となります。
相続については2020年を目安に大改正が予定されています。介護をした人に相続権利が与えられる特別寄与料や配偶者の居住が守られる配偶者居住権などの大幅改正が盛りだくさんです。
その一方で相続税の締め付けがさらに厳しくなります。近年は特別控除などが少なくなりつつあります。このように年々相続税の締め付けは厳しくなりつつあり、今後さらに厳しいことが予想されます。
相続対策の中で不動産の対策は必須項目です。今回の改正では不動産の相続税対策に大きなメスが入った形となります。
具体的にどういった内容かというと不動産の所有にあたり法人化している場合、相続発生後は子供が後を継ぐことになります。法人化している場合で子供が役員のケースでは非課税で相続が認められていました。これにも改定となり、相続開始後から5年以内に同族役員が過半数の場合は、課税の対象となりました。また期間が3年以上の場合も課税の対象となります。役員が同族であるかどうかも1つの基準となります。
住居の相続については同居しているかどうかが1つのポイントでした。例えば子供が独立して他に住んでいる場合は当然ながら同居となりません。その場合、課税の対象となります。結婚して自宅外に住んでいる場合、法人化して子供を役員にし、非課税で不動産相続をするのが節税ルートの一般例でした。

節税逃れに大きくメスが入った理由

節税逃れについてはこんな事例もあります。不動産の相続については特例があります。5100万円相当の不動産の評価額を半分程度で相続し、その後6400万円で売却した例があります。このように違法ではありませんが明らかなやりすぎが法務当局の目につき、大幅改正になったわけです。
もちろん上記は一例です。特例については2,907人中243人が許可となっています。特例が下りたケースではどうしているのかというと、6割が1年以内に売却しているという結果となりました。
特例はそもそも個人の資産を保護するための法律であって、節税対策や利益を倍増させるシステムではありません。それが結果的に逆になっており、正規に納税している人から反発の声が上がるのは当然のことです。
今ブームのタワーマンションの相続についても問題になっています。タワーマンションの相続ですが評価額5800万円で申請→相続し、その後同じ月に2億8千万円で売却する例がありました。

時価評価について

相続税逃れの要因になっている内容の1つが相続税の参照となる評価額と実際に売買されている時価が異なる点です。そもそも評価額はどのようなルールになっているかというと国税庁長官の指示を受けて評価するという規定されています。明らかな不平等が生じないよう、国税局の調査官は自宅を訪問し質問した実地調査にも乗り出しています。
実地調査は以前から1億円以上の物件を対象に調査を実施していました。それが近年は1億円以下の物件についても調査実施対象となっています。このように相続税逃れはかなり厳しく監視しており、今後は以前にもまして気を付ける必要があります。
不動産の相続税納税については7割から8割程度の納税となり現金よりお得というのが一般的です。節税効果が高いのも特徴ではありますが、今後この評価額がさらに厳しくなることも予想されますし、特に1億円以上の物件や高額な物件は目がつけられやすく要注意です。また最近は1億円以下の物件も調査対象となっているのであらゆる物件において相続税については気を付けるのがベストです。生前贈与なども活用して検討してみてください。

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